「インスタントウィン」とは、当選結果がその場でわかる懸賞システムのことを指します。
X・LINE・InstagramなどのSNS上で実施されることが多く、サービスや商品の認知拡大のほか、自社アカウントへのフォロワー数の増加やアンケート回答の促進などを目的に開催されます。
参加者は簡単なアクションで抽選に応募できるため、気軽に参加してもらえるキャンペーンとして多くの企業が取り入れている手法です。
インスタントウィンキャンペーンの種類は、大きく分けて以下の3つの方法があります。
・オートリプライ型
・オートDM型
・ログイン認証型
「オートリプライ」とは、自動返信機能のことです。主にXキャンペーンで用いられることが多く、自動返信の内容によって抽選結果がわかります。オートリプライ型は当選者を自動で選んで返信してくれるため、企業側の事務コストを削減できるのもメリットです。
「オートDM」とは、リプライではなくDM(ダイレクトメール)に自動メッセージが送られる機能のことです。オートリプライ型と同様に、抽選結果が自動で送られます。ほかのユーザーから内容が見えないため、ギフト受け取り用のURLを当選者のみにシェアする場合などに便利です。
当選者以外にはオートリプライ、当選者にはオートDMといった使い分けをするのもよいでしょう。
ログイン認証型とは、キャンペーン参加後に表示されるログイン画面で認証を終えたあと、遷移先のページで当落画面が表示される抽選方式です。X以外のページで案内できるので、企業のコンセプトや世界観を強く出したい場合や、商品PRに向いています。
ただし、参加者の手間が1つ増えるため、離脱率が高くなるリスクがある点はデメリットです。
インスタントウィンキャンペーンのメリットは、主に以下の通りです。
・拡散力が高い
・参加者のモチベーションが上がりやすい
・気軽に参加してもらえる
Xのリポスト機能をはじめ、SNSサービスには独自のさまざまなシェア機能があります。通常のキャンペーンでは、すでにその企業を認知している層以外にはキャンペーンの案内が届かないこともあるでしょう。
しかし、拡散力の高いSNSサービスを用いることで、自社やブランドを認知していない新規顧客に対してもリーチできるメリットがあります。
ハガキや店頭アンケートといった従来のキャンペーンでは、結果までに時間がかかることが一般的でした。インスタントウィンのキャンペーンではその場ですぐに結果がわかるので、参加者のモチベーションが上がりやすいところもメリットです。
インスタントウィンのキャンペーンは、参加者側としても手間がかからないところも大きな特徴。ユーザーが普段利用しているSNSサービスを用いて開催できます。スマホさえあれば簡単なアクションのみで応募できるため、参加者を募りやすいところがメリットです。
ここからは、インスタントウィンキャンペーンのやり方について紹介します。
1. 目的・ターゲット・特典の設定
2. 使用するツール・システムの選定
3. 投稿内容の作成
まずはキャンペーンを開催する目的を定めましょう。キャンペーンのコンセプトがぶれないように、できるだけ具体的な目的に落とし込むのがベストです。
どのような層に対して、どういったアクションを起こして欲しいのか、できるだけ細かく設定してみてください。その上で予算や景品の内容・キャンペーンの参加方法などを検討していきましょう。具体的には以下の項目で検討するのがおすすめです。
・目的(Why):何のためにやるのか、設定するKPIなど
・ターゲット(Who):キャンペーンに参加してほしいユーザーの属性など
・予算/景品の内容/当選者数(What):ターゲットや目的に合わせて予算内で選定を行う
・使用するSNSサービスの種類(How):自社内でのSNSの活用状況と照らし合わせながら決定する
キャンペーンの概要が決まったら、使用するツールやシステムを決めていきます。インスタントウィンキャンペーンは自動通知が前提なので、キャンペーン用のツールを使用する必要があります。
ツールごとに対応しているSNSや機能が異なるので、キャンペーンの目的に応じて自社に合ったものを選ぶようにしましょう。
インスタントウィンキャンペーンの開催が可能なツールは以下の記事にて詳しく解説しています。選び方のポイントや実際のキャンペーンツールの詳細も紹介していますので、併せてご覧ください。
最後にSNS上で発信する投稿内容を作成します。多くの方に参加してもらえるように、参加メリットを積極的にアピールしましょう。キャッチーな言葉を使ったり、画像や動画などでビジュアル訴求したりするのも1つの手段です。
また、余計なトラブルを避けるために、キャンペーンの開催期間や応募条件をわかりやすく明記しておくのもポイントです。投稿の際に字数が足りない場合は、キャンページに記載の上でリンクを設置する形でも問題ありません。
ここからは、具体的なインスタントウィンキャンペーンの事例をSNS・ツール別に紹介します。アイデアや特典選びに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
大手の飲食チェーン店『はなまるうどん』では、うどん無料券が当たるインスタントウィンの開催事例があります。「フォロー」「リポスト」をして当選すると、当選者にはその場でメッセージが届く仕組みです。
『ローソン』は、X上でインスタントウィンキャンペーンを頻繁に開催しています。自社のスイーツブランド「ウチカフェ」のスイーツ引換券が当たるものや、「Lチキ」の引換券があたるものなど、景品はさまざま。
フォローとリツイートを条件としており、当選者数も多いことから、フォロワー数の増加につながっている事例です。2023年12月時点、ローソンの公式Xアカウントのフォロワーは818万人(※)を超えています。
『花キューピット』では、フォローとリツイートでAmazonギフト券が当たる「父の日キャンペーン」を開催していました。
キャンペーン告知はX上で行われており、抽選結果はLINEを友達登録してからトーク画面にて閲覧するという、2つのSNSサービスを連動させたキャンペーンで、XとLINEの友達登録両方のサービスの増加につながった事例です。
『長谷工グループ』では、LINEの公式アカウントを用いてシュークリームの引き換え券が当たるインスタントウィンキャンペーンを開催しました。開催期間は1ヶ月と比較的長く設けられ、応募者はアンケートに回答することで参加できました。
『babyco』は、子育てに関するWEBサイトやフリーマガジンを発行している企業です。フォローとコメントをしてエントリーすると、アイスクリームのギフト券500円が当たるキャンペーンをInstagramで開催していました。
飲料メーカー『コカ・コーラ』は、独自アプリ『COKE ON』にて定期的にインスタントウィンキャンペーンを開催。自販機で購入したコカ・コーラ社のペットボトルにあるバーコードを読み取ったり、アプリ内で設けられたミッションをクリアしたりすることでポイントが付与され、ポイントを使って応募する仕組みとなっています。
自社製品の販促はもちろん、アプリの利用率向上にもつながりそうな事例です。
伊藤ハムの「インスタントウィンキャンペーン」は、SNSを使用せず自社のHPで抽選を行っている事例の1つ。抽選で1,000名にJCBギフトカード1,000円分が当たるほか、外れた場合も 伊藤ハムオリジナルキャラクターが描かれた壁紙がもらえるというキャンペーンです。
キャンペーンページの下部に対象商品の応募コードを入力する箇所があり、当選した場合はその後に遷移する応募フォームに必要事項を入力することで、後日景品が自宅に届きます。
さまざまな人が利用しやすいJCBギフトカードを景品にしている点や、はずれても景品(壁紙)がもらえるという点などが消費者の商品購入の促進につながっている事例です。
インスタントウィンキャンペーンは、認知拡大やブランディングにぴったりな施策の1つです。魅力的な投稿ができれば、一度の開催で多くのフォロワーを獲得することも可能。XやInstagram、LINEなどのSNSを利用するほか、独自アプリや自社サイトへ誘導する方法もあります。目的やターゲットにあったインスタントウィンキャンペーンを開催して、効率的に集客しましょう。