販促施策はマーケティング手法の1つで、販売を促進するための施策のことをいいます。販促施策を成功させるためには、目的に沿った内容で企画することが重要です。
認知拡大やブランディングの一環として販売促進をおこなうケースです。自社をまだ知らない層に対して訴求することで、商品やサービスの名前を覚えてもらいます。
新規顧客に対して訴求するケースです。認知はあるものの、購入まで踏み切っていない層にアピールすることで、購買意欲を掻き立てて購入につなげます。
リピーター獲得のために販促施策をおこなうケースです。休眠顧客や既存顧客に対して囲い込みをおこなうことで、リピート購入を促します。一般的にリピーターの獲得は新規顧客の獲得よりもコストがかからないとされていることもあり、既存顧客が多い場合には効率的に販促施策をおこなえるでしょう。
ここからは、販促施策の具体的なアイデアを紹介します。自社で活かせそうなアイデアがあれば、ぜひ取り入れてみてください。
SNS上で販促キャンペーンをおこなうことはもちろん、SNSのアカウントのフォロワーを増やすことも販促につながります。ほとんどのSNSでは無料でアカウントを作成できるため、広告費をかけずに施策を打ちやすい点がメリットです。
主なSNSとしては、下記があります。
媒体ごとに特徴やユーザー層が異なるため、サービスのコンセプトやターゲット層に応じて適切なSNSを選ぶのがポイントです。
事例
・ローソンの販促キャンペーン
※“ローソン X公式アカウント”参照
Web広告は、ユーザーの動向に応じてニーズの高い層へのアプローチが可能な点がメリットです。例えばリターゲティング広告では、新宿にあるカフェの広告を「新宿 カフェ」の検索結果の欄に表示させるといったように、検索キーワードに応じて広告を効果的に表示できます。
予算に応じて配信ボリュームを設定できるため、比較的安価に始められるのも魅力です。
マス広告とは、テレビのコマーシャルやラジオ、新聞、雑誌などの「マスメディア」で出稿する広告全般を指します。他の販促施策と比較して大衆向けで、ユーザーを絞り込みすぎないため認知拡大やブランディングへの効果が期待できるでしょう。
マス広告の事例
・コカ・コーラのTVCM
販促の対象商品に使えるクーポンの配布や、セールの開催も1つの手段です。購入には至っていない顧客や休眠顧客であっても「安くなっているならこの機会に買っておこう」と考えるケースは少なくありません。大々的な企画をおこなえば、認知拡大にも貢献できるでしょう。
一方で、純粋に売上向上のみを目指す場合、値下げ価格と販促効果のバランスをいかに調整するかがポイントです。
クーポン・セールの事例
・Yahoo!ショッピング「週替わりクーポン」
商品サンプルを配布して、商品のよさを知ってもらう販促施策です。新商品を無料で配布したり、通常よりも少量のサンプルを配布したりと、さまざまな方法があります。店舗で配布をおこなえば、販促だけでなく来店促進にもつながるでしょう。
商品やサービスに関連した無料セミナーやイベントを開催することで、ユーザーに対して有益情報を与えつつ販促できます。より購入フェーズに近い、課題を抱えた見込み顧客を効率的に集客できるので、サービスや商品の購入につながりやすい点がメリットです。
セミナー・イベントの事例
・FORCAS「セミナー・イベント」
会員やポイント制度も販促施策の1つです。購入時にポイントが溜まったり、会員限定のセールを開催したりすることで、競合他社との差別化を図れます。顧客の囲い込みにもつながるため、リピーター獲得に向けた販促施策と相性がよいでしょう。
会員・ポイント制度の事例
・ビックカメラ「ビックポイント」
メールマガジンの配信も既存顧客向けの販促施策の一環です。メールマガジンでは、ユーザーがほどよいと感じる頻度での配信がポイントとなります。
他の販促施策やキャンペーンの告知をメールマガジンでおこなったり、メールマガジンへの登録でポイントがもらえる仕組みをつくったりするのもよいでしょう。
メールマガジンの事例
・楽天市場「楽天のメルマガ」
交通広告は、電車の中吊り広告やドアに設置された広告などを指します。デジタルサイネージは、映像を用いた電子掲示板型の広告です。
不特定多数の層にアプローチできるため、販促施策の中でも認知拡大やブランディングに向いています。
交通広告・デジタルサイネージの事例
・サイボウズ株式会社「キントーン」
オウンドメディアとは、自社で運用するメディアのことを広く指します。一般的には、公式HPやコラム形式の自社サイトなどを指すことが多く、費用を抑えて運用できる点がメリットです。
Web検索での上位表示を目指して有益なコンテンツを発信することで、認知拡大や売上向上を狙えます。
事例
・アサヒグループ食品株式会社「アマノ食堂」
ここからは、販促施策を成功させるポイントを紹介します。
まずは、販促の目的に応じてターゲットを明確にしましょう。ターゲットが明確になることで販促の企画の戦略が立てやすく、効率的に効果を促せます。
できればユーザー像を具体的に落とし込んだ「ペルソナ」や、購入までの道のりを示した「カスタマージャーニー」の策定もおこなうとよいでしょう。
トレンドや季節感を取り入れることで、より多くの顧客の興味を引く可能性があります。例えば話題性のある内容や旬の要素を取り入れたり、クリスマスやバレンタインといった行事と組み合わせたりするとよいでしょう。
利益拡大のためには、費用対効果の高い効果的な販促施策を打つことが重要です。費用対効果が悪い販促施策を打ち続けても、せっかく伸ばした売上の利益が減少してしまいます。
企画ごとに目標となる具体的な指標を定めて、必ず振り返りをおこなうようにしましょう。
自社に合ったSNSを活用するのもポイントです。先述した各SNSのユーザー層や傾向をもとに、商品やサービスを訴求しやすい媒体をメインに選んでみてください。
ただし一方で、1つのSNSに絞る必要はありません。例えばInstagram向けの内容で作成しつつ、Xやfacebookにも同じ素材を用いて展開することで、より多くのユーザーに訴求できます。
KPIとは、最終目標を達成するための通過点として評価を測定するための指標です。例えばSNS上のキャンペーンなら「インプレッション数1万を達成する」「応募者数3,000名を目指す」といったように、KPIを策定することで具体的な効果を測りやすくなります。
販促施策の具体的なアイデアを紹介しました。一口に販促施策といっても、認知拡大や新規顧客、リピーターの獲得など、目的ごとに親和性の高い手法は異なります。ターゲットを明確にした上で、自社にあった企画で販促施策を成功させましょう。