まずは、そもそもマイクロインフルエンサーマーケティングとはどのようなものなのかを解説します。
インフルエンサーとは、人々の思考や行動に与える影響力が大きい、主にSNSで発信する人物を指します。そのなかでも、フォロワー数が1万~10万人程度の人を、マイクロインフルエンサーと呼びます。
マイクロインフルエンサーマーケティングとは、マイクロインフルエンサーを活用するマーケティング手法を指します。
マイクロインフルエンサーに商品やサービスを体験してもらい、その様子や感想などをSNSで発信してもらうのが、代表的な活用方法です。また、商品のアンバサダー(ブランド大使)になってもらい、ブランドの魅力を長期的・継続的に発信してもらうケースもあります。
マイクロインフルエンサーの特徴と、マーケティングに活用するメリットについて、3つの観点から解説します。
マイクロインフルエンサーは、メガ・マクロインフルエンサーと比べ、フォロワーとの距離が近いことが特徴です。
双方向のコミュニケーションが活発で、フォロワーからの信頼も厚いため、投稿に対する「いいね」や「コメント」といったエンゲージメント率が高くなります。「親近感」を武器に、商品やサービスの魅力を深く伝えられることもメリットです。
インフルエンサーの起用コストは、投稿によって期待できるリーチ数、つまりフォロワー数によって決まるのが一般的です。そのため、マイクロインフルエンサーはメガインフルエンサーよりもコストを抑えやすくなります。
同じ予算でもさまざまな切り口でのPRやキャンペーンなど、柔軟な展開ができるので、広告予算が限られているときや、まずはスモールスタートしてみたい企業に向いています。
マイクロインフルエンサーの多くは、美容やファッションなど、特定分野に特化した発信をおこなっており、その分野に関心が高いフォロワーが集まっています。そのため、特定のターゲットに絞ったマーケティング施策との相性がよく、商品やサービスをピンポイントで訴求したい企業に向いています。
フォロワーの興味関心が明確なので、商品やサービスとの親和性も予測しやすく、効率的なマーケティングをおこなえます。
ここからは、マイクロインフルエンサーの探し方と選び方を具体的に解説していきます。
まずは、主な探し方を3つご紹介します。
探し方① SNSで直接探す
マイクロインフルエンサーは、SNS上で自力で探すことができます。ハッシュタグや関連キーワードで検索し、投稿内容やフォロワーの反応を確認しながら候補者をリストアップするとよいでしょう。
この方法は、費用を抑えられる一方、母数が多いため選定に時間がかかります。また、契約交渉や条件調整を自らおこなう必要があり、工数が多くなる傾向があるため、効率的ではありません。
探し方② 代理店に依頼する
マイクロインフルエンサーは、インフルエンサーを多く抱えている代理店に紹介を依頼することも可能です。代理店は、過去の実績や人柄などの情報を持っているため、自社の要望にあう適切な人選が期待できます。
また、契約手続きから進行管理までを一括してサポートしてもらえるので、初めてインフルエンサーマーケティングをおこなうときや、工数を抑えたい場合におすすめです。ただし、代理店手数料が発生するため、予算に余裕が必要です。
探し方③プラットフォームを活用する
近年は、インフルエンサーとマッチングするプラットフォームも増えています。プラットフォーム上で条件を設定して検索し、効率的に候補者を探すことが可能です。
インフルエンサーが自ら登録する必要があるため、積極的に行動する熱意のある人と出会える可能性が高くなります。ただし、企業側はシステム利用料がかかるのが一般的であるため、コストの確認が必要です。
続いて、選び方を解説します。
選び方① 企業イメージにあうか確認する
企業イメージとあわないインフルエンサーを起用してしまうと、かえってマイナスの影響を及ぼす可能性があります。そのため、過去の投稿内容やトーン、使用している画像の雰囲気などをよく確認し、自社のイメージとマッチするか精査することが大切です。
他社とのタイアップ実績があるなら、その内容や表現方法をチェックすると参考になるでしょう。
選び方② フォロワーの属性を確認する
マイクロインフルエンサーだけでなく、フォロワーの属性が自社のターゲット層とあっているかも重要です。フォロワーの年齢層や性別、興味関心などの属性などを確認しましょう。
また、フォロワー数だけでなく、投稿に対する「いいね」やコメントの数などもチェックし、実際にアクティブなフォロワーがどの程度いるかを把握する必要もあります。フォロワー数が条件を満たしていても、フェイクアカウントやボットが多ければ、効果が期待できません。
マイクロインフルエンサーを採用するときに、押さえておきたい注意点を解説します。
インフルエンサーマーケティングでは、ステマ対策が非常に重要になります。ステマとは、広告であることを隠して商品やサービスをPRする行為です。ステマが発覚すると大きな批判を集め、炎上するリスクがあり、ブランドイメージ失墜にもつながる可能性があります。
そのためタイアップ投稿する際には、必ず「#PR」「#タイアップ」「#プロモーション」などのタグを付け、広告であると明確に示すことが重要です。
マイクロインフルエンサーは比較的安価に採用できるため、同時に多数を起用しプロモーションすると効率的と考えがちです。しかしそうすると、それぞれの投稿内容や反応の管理が煩雑になり、効果検証も難しくなります。
また、採用したマイクロインフルエンサーとの、ブランドパートナーとしての信頼性を損ねる可能性も。まずは厳選したマイクロインフルエンサーとの信頼関係を構築し、効果を見極めながら、段階的に展開していくことをおすすめします。
続いて、マイクロインフルエンサーマーケティングを実践した事例を2つご紹介します。
ニトリでは、新生活シーズンへの需要が高まる3月にあわせ、TikTokでマイクロインフルエンサーマーケティングを展開しました。クリエイターたちはニトリの商品の使用シーンなどを動画で紹介し、実生活での活用をイメージできるようサポート。これにより、ターゲットとしていた若年数の来店数が、施策実施前と比較して2倍に上昇したと報告されています。
美容機器ブランドのヤーマンは、自社の公式YouTubeチャンネルで、ターゲットである美容に関心が高い20代後半以降の女性に向けて、美容系マイクロインフルエンサーとのタイアップを展開しました。マイクロインフルエンサーが実際に使用感や効果を詳しく紹介するPR動画コンテンツを配信することで、比較的高額な商品への理解を促進し、購買意欲の向上につなげています。
マイクロインフルエンサーマーケティングの効果を高める方法として、誰でも簡単にSNSキャンペーンが開催できるツール「Booster」をご紹介します。
たとえば自社のSNSで、マイクロインフルエンサーを使った商品やサービスの紹介コンテンツを投稿する際にBoosterを使うと、自社のクーポンや商品を当選ギフトに設定したキャンペーンをおこなえます。
インスタントウィン機能を使うと、リポスト、またはハッシュタグなどを付けてポストしたその場で当落がすぐにわかります。当選ギフトの受け渡しが簡単にできるGiftto(ギフっと)と組み合わせると、効率的にフォロワーの参加を促せるので、ぜひ活用を検討してみてください。
マイクロインフルエンサーマーケティングは、特定分野に精通した1万〜10万人のフォロワーを持つインフルエンサーを活用する手法です。親近感やエンゲージメント率の高さから、ニッチなターゲットへの訴求を低コストでおこなえるため、スモールスタートにも適しています。
さらにBoosterなどのツールを活用すると、より効果を高められます。本記事を参考に、マイクロインフルエンサーマーケティングをぜひはじめてみてください。